第73回日本食道学会学術集会に参加しました。

 2019年6月6日~7日に福岡国際会議場で開催された第73回日本食道学会学術集会に参加しました。今回は九州がんセンターの藤 也寸志先生が会長を務められ、“Seed and Soil” in Esophagology~食道学のさらなる発展を目指して~というテーマで開催されました。当科からは丹黒教授はじめ、吉田卓弘先生、井上聖也先生、笹聡一郎先生が参加しました。わたくしは6月6日の外来・病棟業務を終えてからの出発で、到着したときにはすでに日が暮れ、福岡は大雨でしたが、大雨の中、全員懇親会を終えた丹黒先生を含む4人の先生たちと合流し、博多名物の水炊きをいただき、博多の夜を堪能しました。

  翌日は朝から丹黒教授が司会を務められるSeed and Soilセッション 臨床医と病理医の接点を聴講しました。病理医の先生方が教育的な立場から、病理診断の重要性や特殊な組織型の病理などの発表をしていただき、非常に貴重な体験でありました。そして、その直後にわたくしの発表がありました。今回、ワークショップ 内視鏡診断・治療の新展開というセッションで、わたくしのかねてからの研究テーマである、EBUSによる食道癌の気管・気管支浸潤の診断法についての発表をさせていただきました。発表会場は、今回の学術集会のメイン会場であり、ものすごく広い階段状の講堂に、たくさんの参加者がつめかけていました。会場に入った瞬間から緊張してしまいそうになりましたが、あまり満員のフロアをみないようにして、何とか平常心で発表に臨みました。わたくし以外の演題は、消化器内科医による早期癌診断の新技術について、人工知能を応用した診断方法の開発などの発表であり、進行食道癌の気管・気管支浸潤の診断は、すこし場違いな感じがしました。それでも、発表後、たくさんの先生方に質問をいただき、非常に活発な意見交換ができたと感じました。どこの施設でも気管・気管支への浸潤診断には苦労していることを実感し、やはり正確な診断法の開発は意義のあるものであることを確信しました。今後も研究を継続し、新たな診断法の開発に尽力したいと思います。今回の食道学会も非常に有意義なものになりました。そして、来年はついに、当科丹黒教授が会長を務められる第74回日本食道学会が徳島で開催されます。当科の総力を結集し、素晴らしい学術集会となるよう準備していきたいと思います。

 最後になりましたが、今回の学会参加中、病棟をお守りくださった先生方、そして、このような貴重な機会を与えていただいた丹黒教授に感謝いたします。

                                  西野 豪志

 

   【発表演題】
    《“Seed and Soil”セッション4》臨床医と病理医の接点~臨床医に伝えたい食道の病理~
      司会 丹黒 章

    《一般演題 ポスター211》再発の治療2
      座長 吉田卓弘

    《ワークショップ》超音波気管支鏡による食道癌の気管・気管支浸潤の診断法についての研究
      西野豪志,吉田卓弘,井上聖也,後藤正和,丹黒 章

    《一般演題(口演)》食道胃接合部癌における原発巣からのリンパルートと至適リンパ節郭清
      吉田卓弘,西野豪志,井上聖也,後藤正和,丹黒 章

     胸骨気管間距離(STD)に基づく再建法の工夫
      井上聖也,吉田卓弘,西野豪志,鈴木恵美,山田 亮,笹 聡一郎,青山万理子,森本雅美,
      武知浩和,丹黒 章
     
     術後乳糜瘻に対する鼠径リンパ節アプローチによるリンパ管造影の有用性の検討
      笹 聡一郎,井上聖也,鈴木恵美,山田 亮,森本雅美,兼松美幸,西野豪志,吉田卓弘,武知浩和,
      丹黒 章

2019.07.18