外傷外科本場の米国臨床第一線で戦ってみたい一心で医師4年目から米国医師国家試験（USMLE）に挑戦を開始しました。臨床合間の僅かな時間で少しずつ英文法から勉強し、6年目に臨床渡米の登竜門とされる横須賀米海軍病院に奇跡的に採用されました。米国文化に触れ、英語に耳を慣らしながらその年に米国医師国家試験（USMLE）の一部step2 CKに合格できたことは非常に大きな自信となりました。

7年目に日本の病院に戻って間も無くstep1に合格しましたが、最後の英語技能試験（OET）に非常に苦しみ、月2回は横浜から大阪に移動して試験を受けては落ち続ける日々が約1年続きました。能力の限界を何度も感じましたが、ここまで応援して下さった方たちや先に渡米した仲間たち、USMLEのため自分が犠牲にしてきたものが脳裏をよぎり、泥臭く受験を続け、2023年5月ついに全ての試験に合格し、実に4年もの時間を費やして米国医師免許(ECFMG certificate)の取得に至りました。

済生会神奈川県病院 総合診療部外科／救急科
牧　秀則

2023年3月LasVegasでの世界外傷学会で。
世界最高峰の外傷外科医の一人、University of Southern California(USC)のDr.Demetriades(中央)と。