第81回日本消化器外科学会総会に参加しました。

 7月15日~17日にパシフィコ横浜ノースで開催された第81回日本消化器外科学会総会に参加しました。今回のテーマは「融合の力」です。多職種連携・チーム医療、集学的治療などをテーマとした活発な討論が行われました。以下、特に印象に残った2点についてご報告します。
 一つ目は、術中AIナビゲーションの活用です。AIを医療デバイスとしてどのように活用し、その成果を臨床・教育・研究、さらには私たちの働き方へどのようにフィードバックしていくかについて、多くの議論が交わされました。食道癌手術では、反回神経の同定や機能温存を支援するAI技術に関する報告を聴講し、現在の技術水準や今後の展望について理解を深めることができました。今後ますます発展が期待される分野であり、引き続き情報収集を行っていきたいと思います。
 二つ目は、学術集会の在り方に関する特別企画です。近年、日本消化器外科学会では会員を対象としたアンケート調査が数多く実施されています。その結果は、消化器外科医の減少という社会的課題を背景に創設された「地域医療体制確保加算2」や「外科医療確保特別加算」などの制度にもつながっており、現場の声を集約し、継続的に行政へ提言してきた成果であると感じました。
 本企画では、「学術集会は知識更新の場として大きな価値を有する一方で、参加者の時間的・経済的負担や資金調達に依存する運営には持続可能性の課題がある」という調査結果を踏まえ、今後の学術集会のあるべき姿について討論が行われました。学会の集約化の是非、演題数の減少やテーマの重複、対面で交流することの意義など、多角的な視点から活発な意見交換が行われ、非常に示唆に富む内容でした。
 これまで私は、専門領域の学会には毎年参加し、自施設の診療成績や研究成果を発表して評価を受けることを当然のこととしてきました。しかし、人口減少や外科医不足など、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。そのような時代だからこそ、現状を客観的に見つめ、将来を見据えて議論を重ね、多様な意見を出し合うことの重要性を改めて実感しました。
 最後になりましたが、学会参加中に病棟業務を担当してくださった教室の先生方に心より感謝申し上げます。

後藤正和

 【発表演題】
  当科における胸腔鏡手術手技を踏襲したロボット支援胸腔鏡下食道切除術
   後藤正和,井上聖也,遠藤鋭人,阿部祐也,松井 栞,辻 彩花,竹内大平,宮本直輝,河北直也,滝沢宏光

2026.07.21