『第37回日本内分泌外科学会総会』に参加しました。

 鎌倉にて開催された第37回日本内分泌外科学会総会に参加いたしました。会場は、湘南の海を一望できる鎌倉プリンスホテルというリゾートホテルで、由緒ある街並みと落ち着いた空間の中で、非常に充実した学術的な時間を過ごすことができました。
 学会では、藤本先生は、甲状腺低分化癌の進行症例に対し、BRAF/MEK阻害剤を使用した治療により、奇跡的に患者さんが自宅での生活に戻ることができたという症例の報告でした。この症例は、藤本先生と二人三脚で何度も治療方針を相談しながら取り組んだ、大変思い入れのあるケースです。正直、手探りの部分も多くありましたが、真剣に向き合った分、発表では鋭い質問にも一つ一つ的確に応答されており、胸が熱くなる思いで聴いていました。
 また、馬場先生は、腎細胞癌の甲状腺転移という非常に珍しい症例についてポスター発表を行ってくれました。私の発表と時間が重なっていたため立ち会うことはできませんでしたが、発表を聴いた先生方からは「非常に分かりやすく、落ち着いて発表されていた」と好評をいただいており、非常に誇らしく感じました。
 私は、甲状腺内視鏡手術に関する口演セッションで座長を務めるとともに、パネルディスカッションにて当科における甲状腺悪性腫瘍手術の治療成績について発表を行いました。全国から甲状腺内視鏡に関する著名な先生方に混ざっての発表は非常に緊張しました。他施設に比べて症例数が少なく見劣りする部分があったことは否めませんでしたが、これまで自分たちが地道に積み重ねてきた取り組みを、全国の舞台で発信できたことは大きな意義があったと感じています。何より、日々の内視鏡手術を支えてくださっている食道外科・呼吸器外科の先生方の協力があってこそ、このような発表が実現できたことを改めて実感しました。この場を借りて、深く感謝申し上げます。
 まだまだ課題は多く、学ぶべきことも多々ありますが、今回の学会参加を励みに、今後も一層研鑽を積んでまいりたいと思います。
最後になりますが、学会参加中の業務を快く引き受けてくださった先生方に、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

三崎万理子

   【発表演題】

    《口演1》甲状腺内視鏡手術
      座長 三崎万理子

    《パネルディスカッション》内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術の手術成績
      三崎万理子,井上聖也,河北直也,竹内大平,藤本啓介,坂本晋一,宮本直輝,森下敦司,藤原聡史,
      後藤正和,坪井光弘,鳥羽博明,滝沢宏光

    《ビデオ展示》内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術におけるD1郭清の工夫
      三崎万理子,藤本啓介,坂本晋一,宮本直輝,滝沢宏光

    《口演》BRAF/MEK阻害薬によりPS4から自宅退院が可能となった甲状腺低分化癌の1例
      藤本啓介,三崎万理子,馬場彩花,竹原恵美,竹内大平,宮本直輝,坂本晋一,森下敦司,藤原聡史,
      井上聖也,後藤正和,鳥羽博明,滝沢宏光

    《一般演題》腎癌甲状腺転移、内頸静脈内の腫瘍栓に対し手術施行した一例
      馬場彩花,三崎万理子,竹原恵美,藤本啓介,竹内大平,坂本晋一,宮本直輝,森下敦司,井上聖也,
      河北直也,藤原聡史,後藤正和,鳥羽博明,滝沢宏光

2025.05.26