第81回日本臨床外科学会総会に参加しました。

　

　2019年11月14日～16日に高知市文化プラザかるぽーと、ホテル日航高知、ザ・クラウンパレス新阪急高知、三翠園、高知ぢばさんセンターなどで開催された第81回日本臨床外科学会総会に参加しました。今回はお隣の高知県での開催ということで当科からもたくさんの先生方が参加されました。

　今回わたくしは、初日早朝の研修医セッションの座長にご指名いただきましたので、前日夜に高知入りしました。研修医セッションの「後腹膜・脾臓」という何ともマニアックな領域で、後腹膜原発の肉腫や脾腫瘍など、日常診療で馴染みのない症例報告がずらりと並んでいました。研修医セッションですので、フロアからの活発な質疑応答は期待できないと思い、何日か前から少し予習をして、質問を用意して臨みました。当日は、早朝のスタートということもあり、発表者の関係者のみが会場を占めている状況でした。予想どおり、フロアからの質問は少なめで、用意した質問を全部出しきって、座長の任務を果たしてきました。研修医セッションですが、みなさん堂々とした発表で、共同演者が発言することもなく、質問への回答もしっかりしていて、感心させられました。
　自分の発表は翌日の早朝でした。今回は、ワークショップ「外科周術期管理における漢方医療の有効性」というセッションで、「食道癌術後の大建中湯投与の有効性―術後早期から晩期までの効果－」の演題を発表してきました。当科で行ったランダム化試験の結果とそれ以後の長期投与の効果について報告してきました。漢方薬の研究は、清家先生が大学在職時から綿々と受け継がれており、今後も何とか続けていきたいのですが、臨床研究法などなかなか難しい状況になってきました。
　自分の発表のあとは、井上先生や溝渕先生の発表を拝聴し、有意義な時間を過ごしました。空き時間には3人でひろめ市場と高知城まで歩き、ほのぼのとした時間を過ごすこともできました。留守中に病棟業務を負担してくださった病棟スタッフの皆様、貴重な機会を与えてくださった丹黒　先生に深く感謝いたします。　

　　　　　　　　　西野豪志

　　

　　【発表演題】

　　《総会特別企画02-5》地域医療を考える：今何が問題か？地域医療における臨床外科医の果たす役割
　　　　司会　丹黒　章

　　《要望演題（口演）》呼吸器外科手術の現況と工夫
　　　　座長　高嶋美佳

　　《一般演題（口演）》内分泌：良性疾患
　　　　座長　武知浩和

　　《一般演題（口演）》肺・気管・気管支：良性疾患２
　　　　座長　滝沢宏光

　　《一般演題（示説）》乳腺：良性疾患２
　　　　座長　森本雅美

　　《一般演題（示説）》肺・気管・気管支：悪性疾患５
　　　　座長　吉田光輝

　　《一般演題（示説）》肺・気管・気管支：悪性疾患７
　　　　座長　鳥羽博明

　　《研修医セッション》後腹膜・脾臓
　　　　座長　西野豪志

　　《総会特別企画》
　　　がんの地域連携におけるかかりつけ医とのより早期からの情報交換と役割分担の重要性～患者にとって
　　　良い連携体制構築のための包括的な取り組み
　　　　鳥羽博明，滝沢宏光，吉田卓弘，森本雅美，青山万理子，武知浩和，丹黒　章

　　《ワークショップ》
　　　胃管穿孔、膿胸、難治性消化管皮膚瘻、出血性ショックを伴う瘻孔出血を来し、度重なる手術を必要とした１例
　　　　井上聖也，吉田卓弘，西野豪志，溝渕　海，竹原恵美，笹　聡一郎，青山万理子，井上寛章，森本雅美，
　　　　武知浩和，丹黒　章

　　　食道癌術後における大建中湯投与の有効性－術後早期から晩期までの効果－
　　　　西野豪志，吉田卓弘，井上聖也，後藤正和，溝渕　海，竹原恵美，青山万理子，笹　聡一郎，井上寛章，
　　　　森本雅美，兼松美幸，坪井光弘，武知浩和，丹黒　章

　　《主題関連演題》
　　　当院における下咽頭癌に対する他科連携手術
　　　　吉田卓弘，西野豪志，井上聖也，後藤正和，溝渕　海，竹原恵美，丹黒　章

　　《一般演題（口演）》
　　　食道閉鎖症に対する再建結腸に発生した結腸癌の１切除例
　　　　溝渕　海，井上聖也，吉田卓弘，西野豪志，竹原恵美，笹　聡一郎，青山万理子，井上寛章，森本雅美，
　　　　武知浩和，丹黒　章

　　《一般演題》
　　　治療方針決定に難渋した授乳性腺腫の１例
　　　　笹　聡一郎，井上寛章，兼松美幸，森本雅美，武知浩和，丹黒　章

　　　ニボルマブが奏功し、長期間休止後増悪時に再投与した切除不能肺癌の１例
　　　　竹原恵美，鳥羽博明，溝渕　海，宮本直輝，高嶋美佳，松本大資，河北直也，坪井光弘，吉田光輝，川上行奎，
　　　　滝沢宏光，近藤和也，丹黒　章