乳腺外科での研修を終えて

 はじめまして。初期臨床研修医の豊島万里奈と申します。今回、徳島大学病院乳腺外科で研修させていただき、非常に充実した日々を過ごすことができました。
乳腺外科での研修を通して特に印象に残っているのは、一人ひとりの患者さんについて、疾患と治療方針だけでなく、今後の生活やライフプランまで含めて考えていく姿勢です。乳癌の診療では、手術、薬物療法、放射線治療など多くの選択肢があり、病状だけでなく患者さんの価値観や背景も踏まえながら方針を決めていく必要があります。日々の診療やカンファレンスを通じて、そのような総合的な視点の大切さを学ぶことができました。
 また、手術や病棟業務、外来、カンファレンスなどを通して、乳腺外科の診療の幅広さを実感しました。術前評価から術後管理、さらに再発治療や緩和的な治療まで、患者さんの経過に長く関わっていく診療科であることを知り、一つ一つの症例が非常に勉強になりました。病棟管理など、最初は分からないことも多く不安もありましたが、指導医の先生をはじめ、たくさんの先生方が快く助けてくださり、疑問点も相談しやすい雰囲気の中で研修することができました。医局全体も和気藹々としていて、温かい雰囲気の中で日々学ばせていただきました。
 手術では、実際に執刀の機会もいただきました。自分で手を動かして手術に関わらせていただいたことで、その後に術野に入った時の見え方が変わったことが印象に残っています。また、執刀させていただいた患者さんの術後回診で、自分が切開し閉創した創部を見た時、自分も手術に関わらせていただいたのだという実感が湧き、その光景は今でも目に焼き付いています。外科診療の責任の重みと、実際に患者さんの治療に関わることのやりがいを強く感じる経験となりました。
 カンファレンスでは、自分が担当した患者さんについて発表し、先生方の考え方や判断の過程を学ぶ機会をいただきました。自分では十分に考えられていなかった点に気づくことも多く、日々の診療を通じて少しずつ視野が広がっていくのを感じました。

 乳腺外科は、外科的な治療だけでなく、内科的治療、画像診断、病理、患者さんとのコミュニケーションなど、多くの要素が関わる診療科だと思います。今回の研修を通して、乳腺診療の奥深さと、患者さんに寄り添いながら治療を組み立てていくことの大切さを学ぶことができました。

 短い期間ではありましたが、徳島大学病院乳腺外科で研修できたことは、私にとって大変貴重な経験となりました。ご多忙の中、いつも温かくご指導くださった先生方、研修を支えてくださった皆様に心より感謝申し上げます。

2026.07.09