『第53回中国四国甲状腺外科研究会』に参加しました。
3月1日に岡山県で開催された第53回中国四国甲状腺外科研究会に参加しました。当科からは4題の発表を行い、二人が座長を務めさせていただきました。
まず、馬場彩花先生が内分泌内科、産科婦人科、救急科と連携したコントロール不良妊娠合併バセドウ病に対して手術を施行した症例について発表してくれました。大学病院ならではの集学的治療をなし得た1例であったと考えています。発表もとても落ち着いていて頼もしかったです。
宮本先生はレンバチニブによる薬剤性肺炎を来たした多発骨転移を有する低分化癌に対し、ソラフェニブが奏功した症例を発表してくれました。薬物治療を得意とする宮本先生が的確に質問にも返答してくれました。
藤本先生は未分化転化を来たしたと考えられる予後不良な低分化癌患者に対し、BRAF/MEK阻害剤を使用し、効果を認めた症例を発表してくれました。藤本先生と一緒に担当させていただいた患者様についての発表で、二人で治療方針を何度も話し合い、とても印象に残っていた症例でした。藤本先生も担当医として詳細な治療経過を把握しており、とても細やかな内容まで伝えることができた良い発表だったと思います。
私は、腎癌の甲状腺転移の症例について発表しました。発表後にたくさんの質問をいただき、また治療についてのアドバイスを別に下さる先生もいらっしゃいました。中国四国甲状腺外科研究会ならではのアットホームな雰囲気を感じることができましたし、非常に勉強になりました。
当科は甲状腺診療に携わる専門医師は少ないですが、発表演題数は今回の研究会で一番多かったように思います。若手の先生たちが甲状腺領域に興味を持ち、今回のような研究会での発表に積極的に参加してくれることはとても有難いことだと感じました。今後の診療でも少しでも甲状腺領域に興味を持ってもらえるよう日々努力を重ねたいと思います。
三崎万理子
- 馬場彩花 先生
- 三崎万理子 先生
- 宮本直輝 先生
- 藤本啓介 先生
【発表演題】
《一般演題》診断
座長 滝沢宏光
《一般演題》悪性
座長 三崎万理子
コントロール不良妊娠合併バセドウ病に対して他科と連携し治療介入した症例
馬場彩花,三崎万理子,竹原恵美,藤本啓介,竹内大平,坂本晋一,宮本直輝,森下敦司,後藤正和,
鳥羽博明,滝沢宏光
術前診断が困難であった腎癌甲状腺転移の1例
三崎万理子,馬場彩花,竹原恵美,竹内大平,藤本啓介,坂本晋一,宮本直輝,森下敦司,井上聖也,
河北直也,藤原聡史,後藤正和,鳥羽博明,滝沢宏光
ソラフェニブによる救済治療が有効であった甲状腺低分化癌の1例
宮本直輝,三崎万理子,馬場彩花,竹原恵美,藤本啓介,竹内大平,坂本晋一,森下敦司,藤原聡史,
井上聖也,後藤正和,鳥羽博明,滝沢宏光
急激な病勢進行を呈した甲状腺低分化癌に対してBRAF/MEK阻害薬が有効であった1例
藤本啓介,三崎万理子,馬場彩花,竹原恵美,竹内大平,坂本晋一,森下敦司,藤原聡史,井上聖也,
後藤正和,鳥羽博明,滝沢宏光