第51回中国四国甲状腺外科研究会を主催しました。

 2月18日、第51回中国四国甲状腺外科研究会を開催いたしました。当教室が主催させていただき、滝沢宏光が世話人を務めさせていただきました。中国・四国地方から52人の先生方が参加してくださいました。29演題(主題6題、一般演題23題)の発表があり、討論も非常に活発に行われました。
 スポンサードセミナーでは、高知医療センターの大石一行先生が「根治切除不能甲状腺癌に対する薬物療法」についてご講演くださいました。現在、世界で治験が始まっている新規薬剤も含め、幅広く甲状腺癌に対する薬物療法について説明してくださいました。
 また、ランチョンセミナーでは、隈病院の小野田尚佳先生が「甲状腺癌患者のOS延長に寄与できる薬物療法」についてご講演くださいました。昨年の内分泌外科学会総会で座長を一緒にさせていただき、ぜひ、この研究会に来ていただきたいとお願いさせていただきました。大学院在学中、基礎実験を行っていた際に小野田先生の論文を何編も読んでおり、絶対に徳島に来ていただきたいとずっと思っていましたので、本当に嬉しかったです。小野田先生の今までの豊富な診療経験を踏まえた甲状腺癌に対する薬物治療の重要性について非常にわかりやすく講演してくださいました。甲状腺癌に対する基礎の部分から最新の診療まで理解を深めることができました。
 教室員からは井﨑先生と坂本先生が発表しました。井﨑先生は努責を契機に甲状腺被膜からの出血をきたした非常に珍しい症例について発表されました。発表自身もスムーズで、始終落ち着いていて、受け答えが冷静でとても頼もしかったです。坂本先生は甲状腺未分化癌にpaclitaxelと放射線療法を行った難しい症例について発表されました。実際に診療でも担当医として携わってくれた症例でしたので、報告する機会を持つことができ、よかったです。
 私は座長、発表、運営とばたばたとしてしまい、行き届かない部分も多々あったと思いますが、皆さんのお陰で最後まで研究会をスムーズに運営することができました。
前日の懇親会、当日の研究会とお手伝いをしてくださった教室員の方、本当にありがとうございました。

三崎万理子

  【発表演題】

    分子標的治療薬の手術前使用の経験
     青山万理子,井﨑富由実,竹内大平,坂本晋一,宮本直輝,井上聖也,河北直也,藤原聡史,後藤正和,
     鳥羽博明,滝沢宏光

    Weekly paclitaxelと放射線外照射を併用した甲状腺未分化癌の一例
     坂本晋一,青山万理子,乾 友浩,宮本直輝,井上聖也,藤原聡史,後藤正和,鳥羽博明,滝沢宏光

    抗血栓薬内服中に甲状腺被膜出血をきたし緊急手術を要した1例
     井﨑富由実,青山万理子,竹内大平,住友弘幸,宮本直輝,坂本晋一,藤原聡史,井上聖也,後藤正和,
     鳥羽博明,滝沢宏光

2023.02.21