第38回中国四国甲状腺外科研究会

38回中国四国甲状腺外科研究会に参加して 

313日に徳島市民病院の山崎眞一先生が当番世話人として開催された第38回中国四国甲状腺外科研究会に参加してきました.会場が徳島市民病院ということもあり,大学から参加した我々にはリラックスムードが漂っていましたが,会自体は中国四国地区で甲状腺の手術をバリバリこなす施設のドクターたちが集う,専門性の高い研究会です.参加者受付には三好先生,松岡先生,河北先生といった馴染みの面々がいて,さらに我々を和ませてくれましたが,スライド係からランチョンセミナーのお弁当配布まで,全ての主催者業務を市民病院の先生方が担当されていたのは大変だったと思います.お疲れ様でした.

さて,当科からは森本雅美先生が甲状腺乳頭癌の肝転移,太原一彦先生が副甲状腺癌,という比較的稀な症例について発表しました.森本先生は4月から赴任する市民病院への名刺代わりとばかりに,堂々としたプレゼンをしてきました.太原先生は研修医とは思えない貫禄で質問に対してもしっかり答えていました.二人ともとても良い発表だったと思います.

 徳島市民病院の地下講義室で行われた研究会でしたが,ランチョンセミナーの前には地下の閉塞感から解放できるようにとの主催者の粋な計らいで,参加者たちは特別に病院屋上ヘリポートへ立ち入りを許可されました.ヘリポートは予想以上に爽快で,眉山から吉野川まで,徳島市360°のパノラマを堪能するのにこれ以上の場所はないと感じました.

 今回の研究会では,甲状腺癌術後のサーベイランスがテーマとして取り上げられました.予後が良い故に術後10年経過してからの再発も稀ではない甲状腺癌ですが,術後にどれくらいの期間,またどのようにしてフォローアップすれば良いかという疑問に答えるエビデンスはなく,それぞれの施設ごと,ドクターごとの考えでフォローされているのが現状です.近く甲状腺腫瘍診療ガイドラインが発表されますが,推奨される術後経過観察年数の根拠となったのは日本の主要施設に対するアンケート調査のデータだそうです.その未知の領域に切り込んだ今回のシンポジウムでは,各施設から貴重な多数症例の長期成績が発表されました.明確な結論を導き出すのは難しいテーマではありますが,今回のシンポジウムでは各施設の取り組みや,長年甲状腺外科をライフワークにされてきた先生方の考え方に接することができ,とても勉強になりました.シンポジウムの最後には丹黒教授が特別発言で登場し,各施設の術後フォローの基準をスライドにまとめて発表されました(シンポジウム中にノートPCを拡げて何を内職しているのかと思っていたら,各演者の発表を聞きながらこのスライドを作成していたのでした).

 閉会の辞で山崎先生も言っておられましたが,甲状腺外科はマイナーな分野かもしれませんが,若いドクターたちにもっとこの分野に入ってきてほしいと思います.私自身まだまだ新参者ですが,甲状腺外科は非常に奥の深い領域だと感じます.歴史も実績もある徳島市民病院に少しでも近づけるように我々徳島大学病院・甲状腺外科も頑張っていきたいと思います.

滝沢宏光

日時 : 平成22年3月13日(土)
会場 : 徳島市民病院 地下講義室

【特別発言】 丹黒 章教授