はじめに

当科では、食道における悪性腫瘍や良性疾患および機能障害に対する外科治療を行っています。胸腔鏡及び腹腔鏡を用いた低侵襲の内視鏡手術も積極的に行っており、さらに丹黒教授が日本で初めて行った縦隔鏡下食道切除を改良し、さらなる進歩を目指しております。鏡視下手術により、機能温存とともに術後の早期回復を実現しています。また、手術だけでなく、内視鏡による診断・治療やがん化学療法も行っております。
 食道がん標準手術を主に、食道胃接合部がんに対する下部食道胃全摘術、食道良性疾患(食道裂孔ヘルニア・食道アカラシアなど)、耳鼻科と合同手術で行う咽頭・喉頭・食道摘出+遊離空腸再建術、一般消化器手術など、幅広く手術を行っております。

診療体制

食道外科では、数人の医師がチームを作り、グループ診療体制をとっており、きめ細やかな診療をおこなうこととしております。どのスタッフでも気軽に相談のできる雰囲気づくりを心がけております。

診療医師紹介

診療科長
後藤 正和(ごとう まさかず)講師食道科認定医・評議員、消化器外科専門医・指導医
副科長
井上 聖也(いのうえ せいや)講師食道外科専門医・評議員、消化器外科専門医・指導医
担当医
藤原 聡史(ふじわら さとし)特任助教食道科認定医、消化器外科専門医
その他
ローテーション医師、研修医が診療に携わります。

※当科のすべての医師は、緩和ケア研修会を修了しております。
※当院は教育機関であり、医学生の教育にも専念しており、医学生による問診や診察など診療に携わることもありますが、ご了承ください。

治療方針

私たちのモットーは、「一病息災」であり、受診していただいた患者さんを食道の病気に限らず、持病や併存疾患をも細やかな診療を行うよう心がけています。(*無病息災ではありません)5年を超える長期的な外来での通院により、その他の病気の予防、早期発見を行っております。
手術を行う全症例に対して、当科のみならず病院全体の合同カンファレンスにて治療方針を決定しており、耐術能の評価やNST(栄養サポートチーム)による術前術後の栄養管理など、他科の協力を得てチーム医療を行っています。最近では、徳島新聞にも掲載された外科医、NST専任医師、看護師、薬剤師、栄養管理士、理学療法士、言語聴覚士など多職種が連携した術前術後管理チーム(Opera:オペラ)を立ち上げ、その成果を上げております。

得意分野

  • 当科は、徳島県で唯一の食道外科専門認定施設であり、有数の症例数及び成績であり、徳島以外の四国内や中国地方の各地よりご紹介をいただいています。
  • 縦隔鏡下食道切除術を行っている四国唯一の施設であり、より低侵襲な機能温存を目指した治療を実践しております。また、食道良性疾患には、ダ・ヴィンチ サージカルシステムによるロボット支援手術も行っています。
  • 当科では、長期にわたる臨床経験による食道がんに対する化学療法の良好な成績を誇っています。
    術前・術後アジュバント化学療法、あるいは進行症例に対する化学療法も当科にて行っています。
  • 既存疾患の多い患者さんや非常に進行した患者さんなど手術不能な方に対しても積極的に治療を行い、放射線科と毎週カンファレンスで検討し、適切な化学放射線療法を行っています。また、PDTレーザー治療(光線力学的療法)も行っております。

食道がんの詳しい説明はこちら→ 食道がん一般の方用サイト 国立がん研究センター がん情報サービス

治療において最も大切なことは、無理をせず、安全に治療を継続することです。著しく体力が落ちていると、抗がん剤や放射線の副作用が強く出ることが多く、無理をして治療を続けることでむしろ体力が低下し、日常生活に支障を来すおそれがあります。生活の質を維持しつつ、しっかりと治療を継続したいものです。一方、全身状態の悪化によって、治療継続が困難と判断される場合には、がんの進行によって生じる症状に応じて、鎮痛剤や点滴栄養などで苦痛を和らげる治療(緩和治療)に専念することも、大切な選択肢の1つです。

セカンドオピニオン

また、セカンドオピニオンをお考えであれば、まず、十分にお話をさせていただいた上で、当院で行ったすべての検査や診療情報提供書(紹介状)を作成しますので、遠慮なくお申し付けください。

診療トップへ戻る