上海肺科医院へ手術見学に行きました。

 

 2019年9月22日〜24日、中国の上海肺科医院に施設見学に行ってきました。現在呼吸器外科手術では、ロボット支援下手術と単孔式手術の2つが世界に拡がりつつあり、学会などでも関心が高まっています。

 上海肺科医院は、単孔式手術のパイオニアであるDiego Gonzalez Rivas先生らの下、年間1万件以上の肺癌手術を行なっているハイボリュームセンターです。今年5月に名古屋でThe 7th Asian single port VATS symposiumが開催された際に、徳島県立中央病院の住友弘幸先生が、会場に来られていたRivas先生に直接コンタクトを取り見学の機会を作ってくださりました。世界中から見学者が訪れる有名病院で、本来ならアポイントを取っても見学までは1年以上かかることも珍しくないそうです。大学病院からは滝沢先生、坪井先生、宮本の3名が、県立中央病院からは住友先生、徳島市民病院からは宇山先生、山本先生、高知赤十字病院からは松岡先生の総勢7名で伺いました。見学した9月23日(中国では平日)に行われた手術は94件で、スタッフによると100件を超える日もあるとのことでした。Rivas先生が執刀した手術は4件で、そのうちの2件を見学することができました。見学者が多く、Rivas先生の手術を見られないときは他の手術室を自由に見学でき、そこでもハイレベルな手術や、大学病院でも年に1例あるかどうかの珍しい手術も行われており、とても勉強になりました。

夜にはわれわれ見学者らが参加できる懇親会に招待していただき、ブラジル、インド、イタリアなど世界各地から見学に来た見学者とも交流が持て、非常に充実した1日でした。見学中Rivas先生は我々を含めた見学者らに常に気さくに話しかけてくれ、世界のtop surgeonがあれほど親しみやすくされているのは大変衝撃的でした。

 現在ロボット支援下手術は大学病院ですでに行われていますが、今後は上海で学んだ知識を生かして、単孔式手術も選択肢に挙がってくると思われます。

 最後になりますがこのような貴重な見学の機会を作ってくださった住友先生、そして留守中の業務を行なってくださった先生方に心からお礼申し上げます。

宮本直輝

 

 

2019.09.27