中心型肺癌とは比較的太い気管支にできる肺癌のことで、その発生には喫煙が深く関わっています。
末梢型肺癌と異なり、通常の胸部レントゲン写真では発見されにくいため、発見された時点ではすでに進行した状態で大きな手術を必要とすることもまれではありません。
当施設では、早期に発見された中心型肺癌症例を中心に、PDTという特殊な薬剤と光線を用いた治療方法を行っています。
PDTで癌を根治できれば手術を回避できます。
そのためには早期の段階で癌を発見することが不可欠であるため、重喫煙歴をもつ方などに対しては喀痰細胞診や通常の気管支鏡検査に加えて、積極的に蛍光気管支鏡という中心型早期肺癌の発見に威力を発揮する検査を行っています。


早期非小細胞肺癌の治療法の第一選択は手術とされていますが、中心型早期肺癌ではこのPDTのみで癌が根治できるケースがあります。
また、喫煙者などの方で肺癌が一生のうちに複数個できたり、肺気腫があって呼吸機能が低下しているため手術が行えない、といったケースでこのPDTが威力を発揮することもあります。

PDTの実際についてですが、局所麻酔下に気管支鏡を用いてレーザー照射を行います。
レーザー照射の数時間前に腫瘍親和性があり光感受性のあるレザフィリンという薬剤を点滴で投与しておきます。
するとレザフィリンはレーザー照射時までに癌の部分に集まってきます。
ここへレーザーを当てることで、薬剤に変化を起こさせ癌を死滅させるという原理です。
レザフィリンは皮膚などの正常組織にも少量は取り込まれるため、治療後しばらくは強い光の当たらない環境で過ごす必要があり、2~3週間の入院を必要とします。

PDTを行うことのできる施設は、まだ全国でも限られており四国では2施設しかありません。
当施設では、2004年12月までに19例に対しPDTを行っており、早期肺癌症例では85%の患者さんで根治が得られています。

 

従来の気管支鏡は白色光を用いて、気管、気管支などを観察する検査です。
蛍光気管支鏡は、気管支上皮が自家蛍光を発しているのに対して、癌や前癌病変ではこの蛍光が減弱、または消失するという性質を利用してこれらの病変を発見する検査です。
検査の方法自体は従来の気管支鏡検査と全くかわりませんが、蛍光気管支鏡を併用すると従来の気管支鏡では発見できなかったようなごく早期の癌も発見できることがあります。